
今日のダイナミックで変化し続ける仕事環境において、チーム内に心理的安全感を醸成することは、単なるリーダーシップの選択ではなく、戦略上の必須事項である。この記事では、心理的安全性を高めるためにリーダーが果たす重要な役割について掘り下げます。チームのダイナミクスを変化させ、成功を導く鍵となる行動とリーダーシップ・スタイルを探ります。
以下、二つについて今回は見ていきたい。
Ⅰ心理的安全性を高めるために、リーダーはどのような行動をすべきか
Ⅱリーダーシップのスタイルは、どうすべきなのか。
チームが機能するとはどういうことか(著:エドモントン)によると、以下8つがあげられている。
①直接話ができる(親しみやすい)言動をとる
②自分が持っている知識の限界を認める
③自分も良く間違うことを積極的に示す
④参加を促す
⑤失敗は学習するチャンスであることを強調する
⑥具体的ですぐ行動に移せる言葉を使う
⑦望ましい行動はどこまでで、どこからは行き過ぎなのか、その境界線を明示する
⑧境界を越えて行き過ぎた行動をとった場合、その責任をメンバーに取らせる(公正な態度)
以上である。
まずもっとも注目すべきは、メンバーがリーダーに対して、リーダーは常に答えを持っている、という固定概念を確認すべきである。
リーダー自らが、②自分が持っている知識の限界を認める、③自分も良く間違うことを積極的に示す、ここができているリーダーは少ない。
現在は、VUCAの時代と言われている。環境が変われば、戦略も変わる。経営学では古典的な考えである。であるならば、過去の環境で成功してきたリーダーがすべてを知っている、は難しいで時代あることがわかる。そこで、積極的に、私にも限界がある、そして間違うかもしれない、と宣言することはチームにとって大きな効果がある。この宣言によって、チームの学習効果が上がるのである。この一言を宣言し、体現することによって、チームを率いることが、これからのリーダーに求められるのである。
さて、VUCAの時代からもう少し紐解こう。
⑤失敗は学習するチャンスであることを強調する、である。
環境が変わった、それであるならば、成功するための法則も変わる。
もう少し言うと、成功するための法則はだれも知らない。
この前提で、チームを運営すべきである。
であるならば、リーダーはどうすればよいのか。
失敗をどんどん行って、成功するための法則を見つける必要があるのである。
失敗をどんどんする。
これこそがチームの学習を進めるうえで、大きなポイントとなる。
失敗をしたときに、なぜ失敗したのか!と責任を追及するのではない。
失敗した真因は何か。
失敗の中からも、今回学べたことは何か。
ぜひここから一歩、成功への法則を見つけて頂きたい。
それでは、リーダーシップのスタイルはどうすべきなのでしょうか。
リーダーシップには、様々なスタイルがあります。
ざっといかに上げておく。
①PM理論に基づくリーダーシップ
大きく二軸でわける。
P機能:目標達成機能(Performance)
M機能::集団維持機能(Maintenance)
PM理論は、以下4つに分けられる。
PM型:成果を上げる力も、集団をまとめる力も強い、理想のリーダーシップ
Pm型:成果を上げる力は強いが、集団をまとめる力は弱いリーダーシップ
pM型:成果を上げる力は弱いが、集団をまとめる力は強いリーダーシップ
pm型:成果を上げる力も集団をまとめる力も弱い状態で、リーダーシップ
②ダニエルゴールマンが提唱するリーダーシップの型,
リーダーの型 :ビジョンを示し,方向性をメンバーに示す.いわゆるカリスマ性があるが,理想論を語りすぎて不満が出ることがある.
ビジョン型 :コミュニケーション能力が高く,メンバーのやり方を尊重するため最大限成長させることができるが,短期的な目標達成には不向き.
コーチ型 :メンバー間の関係性を重視する.対立を避ける傾向があるので,改善が後回しになる傾向がある.
関係重視型: メンバーの意見を聞き入れ活動に反映させる.モチベーションが上がる可能性がある.しかし緊急時には対応困難なときもある.
民主型 :リーダーが率先して難しい仕事をこなす「背中で語る」リーダー.なんでもリーダーが一人でやってしまう傾向がある.
ペースセッター型 強制型 :命令して追従させるタイプ.災害時など緊急を要する現場では効果的.
③レヴィンのリーダーシップ論
専制的リーダーシップ
部下あるいは集団は消極 的・受動的で、命令を与えな いと働かないという前提に 立って、すべての意思決定を リーダーが行い、作業の要領 や手順もリーダーによる命 令によって指定されるという類型。
短期的には他の類型よりも 仕事量が多く、高い生産性を 達成できるが、長期的にはメ ンバーが相互に反感や不信 感を抱くようになり、効果的 ではない
有効と考えられる状況:未熟で安定していない 集団や、緊急に意思決 定を下さなければなら ない状況。
自由放任的リーダーシップ
部下あるいは集団の行う行 動に対して、リーダーはほとんど関与しない。意思決定、 作業手順も部下任せにする。
組織のまとまりがなくなり、 メンバーの士気が低下する。 仕事の量・質ともに 3 類型の 中で最も低い。
有効と考えられる状況:研究開発のような部下 あるいは集団のレベル が高く、個人の能力に 依存することが多い専 門家の集団。
民主的リーダーシップ
リーダーの下で、集団で討議 して方針を決定する。決定の 過程に集団や部下を参加さ せるので、参加型リーダー シップとも呼ばれる。作業の 要領や手順は部下の裁量に 任せる。
短期的には専制的リーダー シップよりも生産性が低い ものの、長期的にはこちらの 方が高い生産性を上げることができる。メンバー間に友 好的雰囲気が生まれ、集団の 団結度が高くなる。
有効と考えられる状況:通常の業務。
リーダーシップのスタイルは実は、様々ある。
自分はどのリーダーシップスタイルなのかを知ることは重要である。
ぜひあなたのリーダーシップスタイルは、どのタイプに近いのか考えてはいかがでしょうか。
では、また。