組織の成功に欠かせない!『対話』がもたらす劇的な変化と心理的安全性の関係とは

心理的安全性

チームをより良くするための鍵は、『対話』です。

しかし、対話とは、ただの会話とは違います。価値観を一旦置き去りにし、相手の意見を受け容れ、自分の立場や利害を超えて率直に意見を交換すること。

そのためには、場作りから始め、ルール設定も重要です。

一人一人の本音の意見を引き出すことが目的であり、ファシリテーターの存在も不可欠です。

リーダーもファシリテートのスキルを磨くことが求められます。

心理的安全性を高めるために、対話のスキルを身につけましょう。

まず重要なのが、日頃伝えられていない「声にならない声」を積極的に集めるところからスタートすることをおススメする。

自社で難しければ、外部の手を借りるのも良いと思う。

この声にならない声を集めると、目に見えない課題があぶりだされる。

この目に見えない課題とは、普段のメンバーが、「できれば言いたくない」または、「相手に伝えたくない」ことが多く含まれる。このポイントを積極的に集める意識をぜひ持ちたいものである。

最初は外部の手を借りても良いが、そこから心理的安全性の高いチームに移るうえで重要なのが、「対話」である。

わたくしがお伺いした組織では、多くの場合、会議や指示伝達は得意なリーダーが多いが、対話ができないケースが多い。

ぜひうちの組織は対話ができているのか?について意識を持って頂きたい。

では、対話とは何か。

対話は、会話の一種である。

では、対話を考えるために会話と対比していこう。

あなたは普段、「会話」をしていますね。

多くの場面で会話していると言えるでしょう。

では、会話とは何か。

今日は天気がいいですね、など特に相互理解を意識せずにやり取りするもので、広く浅い内容で終始するものが会話と呼ばれます。

その他にも例えばコンビニで、アイスコーヒーください、やタクシーで○○駅までお願いしますなどもあります。

これは一方的に伝えているので、対話ではなく、指示伝達となります。

例えば会社でも、これ○○株式会社に資料送ってくれる、や議事録を明日までにまとめて関係者へ送信してもらえる、なども指示伝達ですね。

では、対話とはどんな状態をいうのでしょうか。

対話では一見すると自分と違う価値観を受け容れ、積極的に自分の考えや立場を変えることが求められます。

同じテーマを議論していても、ディベートのように、どちらかのサイドに立って議論するものは対話と呼びません。積極的な態度変容が求められるのです。

従って、この発言に従いなさい、この意見を受け容れなさいと言ったコミュニケーションとは違うのです。

この点を理解できていないと、うちの組織は対話できている!とは言えないのです。

更に自分の立場や利害を超えて一人のメンバーとして、率直に主張することが求められます。

双方向的で、対等な立場でのコミュニケーションが対話と言われるものです。

そのため、自身へ耳障りが良く無い事が対話の中で発生するとついつい否定的になってしまう方が多いのも事実です。

そのため、一旦自身の価値をわきに置いておいて、相手の言葉を聞くことが重要です。

相手に何故そう思うの?と聞くことは簡単かもしれませんが、本質的にはその際に一旦自分のこうあるべき、を排除できるかどうかが重要です。

なかなか多くのリーダーの方を見ていると、この対話をきちんと行える方が少ないと感じます。

それもそのはず。

これまで多くの場面でこのようなスキルを求められることも少なく、また上司から教わる経験も少ないからです。

この対話をスキルとして組織に取り入れることは重要です。

会話でもなく、指示伝達でもなく、対話も使いこなせるリーダーとなる事が今後ますます求められてきます。

では、どのように対話は進めればよいのでしょうか。

4つほど、ポイントをお伝えいたします。

第一は場作りです。

いつもやっている会議室ではないところで取り組むことをおススメします。

いつもの会議室ですと、ついつい通常モードが発動します。

これではなかなか対話モードにいきません。

最初は、いつもと違った環境で、対話をスタートさせることをおススメします。

話しやすい、開放的な場所が良いです。

会社内にそのような場所がないことも多いです。

近くのカフェや公園、レンタルルームなども良いかもしれません。

場の力を借りることは、多くの方にとって対話を進めるアドバンテージとなるのでおススメです。

第二は対話のルール設定です。

ん?ルールなんているのか?と思った方もいるかもしれません。

実は、これが地味に効果があります。

いつもと違うよ、今回はこういう意図で設定しているんだよ!を伝えるためにも、簡単で良いのでルール設定を冒頭で伝えると良いです。

もちろん場を設定しているリーダー自身もこのルールに則って対話しているか気を付けましょう。

例えばこのようなルール設定が良いかと思います。

①あくまでも、普段なら言わないかもしれない本音を、全員が共有する事

②最後まで聞くこと(割り込み禁止)。それから腕組み、しかめっ面、は禁止。そして相手の話しを聞くときはうなずくこと。

特にリーダーの方が、ついついやってしまいがちな行動を禁止しています。

そして1on1でコーチングを取り入れている方は良いと思いますが、きちんと相手の発言の際にうなずく。大事です。

③相手の意見を否定しない。その言葉にある意味に耳を傾けること。

④どんな意見や本音に対しても、良い悪いを決めず、偏見を持たずに受け止めること。

この辺が、最初に言った価値観を一旦わきに置くです。

⑤組織の立場や役職を持ち込まず、対等な立場で臨むこと。

自身がリーダーの場合は積極的にこのルールを守ることです。そしてチームメンバーがこれを心の底から信じてもらえないと、対話はスタートしません。

次は対話のテーマです。

対話のテーマは話される場面によっていろいろあると思うが、チームについて話す場合は例えばこのようなものがある。

あなたは自身はチームが機能していると思いますか?

チームをよくするために、あなた自身が感じている課題は何ですか?

今よりも学習できるチームを作るためにどんなことができますか?

あなたがチームを変える立場だったら、どんな課題があると提案しますか?

などです。

チームのパフォーマンスについて積極的な対話の機会として頂くテーマが良いと思います。

そして具体的な対話の進め方です。

次の4ステップがよくある進め方です。

ステップ1:チェックイン

最初から本題に入らず、アイスブレイクや一人一言今の気持ちを言ってもらうことから始めるのが良いです。

ステップ2:目的とルールの説明

対話の目的とルールを伝えましょう。いつもの会議と違うよ!と認識してもらうことが重要です。チームをよくするための時間です!と伝えましょう。

ステップ3:本題の議論スタート

このチェックイン、目的ルール設定で、いつもと違うな!と雰囲気をつかめたら準備OKです。議論をスタートさせましょう。

いきなりうちのチームはどうすべきか?と言ってなかなか発言がポンポン出てくることは少ないです。

最初のうちは、個人→チームとステップを移行するパターンをおススメします。

個人では、付箋などを用意してもらって、5分程度考え、付箋に書き込んでもらいます。

そのあと、一人一人から付箋をきっかけに発言頂き、ホワイトボードなどに貼ってまとめることをおススメします。

ただし注意点があります。

ついついまとめることを目的として進める方が多いです。

ここでの目的は一人一人の意見をすくいあげることが重要です。上手くまとめることではなく、本音の意見が出ているかどうかを常に意識しましょう。

それからファシリテーターが重要のキーマンとなります。

多くの場合、リーダーが兼ねるケースが多いと思います。

会議の議長ではなく、ファシリテーターとなれるかどうかもキーポイントです。

ここもいろいろなスキルが必要ですが、最低限押さえておかないといけないのは以下です。

①アイスブレイク、チェックインを必ず行う

②リーダーが積極的に自己開示をし、弱音や本音を最初に発言する

③全員に対して、発言の機会を設ける。発言が少ない方へも積極的にくみ取って平等な目配りを忘れない

④相手の意見に対して、なるほど!そういう考えもあるね!と前向きな受け答えを意識する

⑤自分と反対意見が出ても、つねに中立を心がける。なぜそう思うのか、なぜそれが大事なのかを質問して受け止める

⑥お菓子など柔らかい和やかな場面設定を作る

⑦最初の段階では、あまり時間通りに進めようと意識しない。

⑧最後にチェックアウトの一言を言う。

です。

いきなりいままで指示命令ばかりを出してきたリーダーがファシリテートしても上手くいかないケースも多い。

難しければ、外部のファシリテーターに伴走して頂き、その後リーダーが担うのもおススメである。

いかがでしょうか。

一口に、対話と言っても奥が深いのである。

リーダーはこれまで、対話のスキルを獲得していないケースが多い。

しかし心理的安全性を高めるためには、この対話のスキルが実務の場面では求められる。

ぜひ対話について、今回をきっかけにご自身のなかで考えを深めて頂けると良いと思います。